スタッフレポート

三条高倉にある小さなバーに、20 時過ぎから少しずつお客さんが集まり始める。21 時から開催される農芸化学会サイエンスカフェ/ 呑みながら講義に参加する人達だ。運ばれてきたお酒を呑みながら、早速相席した人との会話が弾む。今日の講義内容に期待をふくらませつつ。

21 時を少し回った頃に、全員に飲み物が行き渡り、いよいよ「呑みながら講義」の始まりだ。今回のせんせいは、京都大学農学研究科の村上明 助教。「野菜の成分は敵か味 方か? 体に良い理由(わけ)を考えよう」というテーマだ。食品という身近なものの話であることもあって、皆食い入るように 話を聞いていた。途中お客さんからから質問が出ることもあり、とてもリラックスした雰囲気の中で講義が行われた。

冒頭は食品の健康効果についての 話。食品の場合イメージが先行して、科学的には適切でない表現もままあるという話のあと、野菜の成分で、健康に良いと言われるファイトケミカルの紹介。ファイトケミカルとはどういうものか、どうやって健康効果が出ているのかについて紹介があった。ここからは少し専門的な内容にはなったが、わ かりやすいイラストと巧妙な例えで多くの人は理解していた様子。特に、子供は野菜嫌いだが大人になると食べられるようになるという例がわかりやすかった。パラケルススの「薬と毒とを区別するのは適切な量である」という言葉も、多くの人にとって新しい発見だったようで、驚きの声があがった。

講義は1 時間ほどで終了したが、その後も24 時頃まで、それぞれ時間の許す限りお酒を呑みながら今日の講義に関連する話をして大いに盛り上がっ た。

(和田濵 裕之)

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