2010年7月3日(土曜日) 14時00分〜15時30分 カフェ進々堂 『液体と固体のあいだ 〜ぷるぷる・ねばねば・ふにゃんふにゃん〜』 ■ゲスト ■日時 ■ところ ■参加費 定員 ■申し込み方法 |
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「パパ、僕ね、7月3日の土曜日に、進々堂っていうとこにママと行ったんだ。そしたらね、窓際で、なんだか面白そうなことやってたんだよ、僕、つい見ちゃったんだけど、お兄さん、お姉さん、おばちゃん、おじちゃん達、みんな楽しそうに笑ってたんだよ。」 「へえ、どんなことやってたんだい?」 「なんかね、あらゆる物には“緩和時間”っていう、固体から液体に変わる時間があるんだって。何億年、っていう時間も入れたら、地球上のほとんどの物は液体に変わるんだってさ。みんなの前でお話してた人は、液体になることを“流れる”って言ってたんだ。僕、“流れる”って言葉は、今まで“どこかから他の所に移動する”っていう風につかうものだと思ってたけど、“一つの物質の状態が液体に変わる”ことについても“流れる”っていう風に言うなんて、初めて知ったよ。」 「“形あるものは皆壊れる”ならぬ“形あるものは皆流れる”って訳か。ん?どうしたお前、考え込んで。」 「なんかさぁ、今、僕の目に見えているものも、いつかはみんな液体になっちゃうのかな、って考えたらすごく不思議なんだ。でも何億年、っていう時間なんて、想像もつかないや。」 「そうか。何億年、っていうとなかなか想像しにくいかもしれないけれど、身近なところで考えたらどうだい?色々なものが液体に変わるから、食べ物だって食べられるし、物も利用できるんだよな、きっと。食べ物が液体に変わるから、身体の中で消化が助けられるわけだし、お前がさっき、虫に刺された所に塗った軟膏。それだって、チューブから出して塗るうちにだんだん肌になじんでいくだろう、それもたぶん液体に変わっていくことを利用してるからなんだよな。」 「そっか。身近なところに、固体から液体に変わる性質を使ってるものっていっぱいあるんだね。そういえば、お話の中で言ってたよ。電子レンジでお水を温められるのも、1000億分の1秒っていう、水が固体から液体に変わる緩和時間を使ってるからなんだって。水の緩和時間と同じくらいの周波数の電磁波を出して、固体の状態の水を揺らすから、熱が発生して水が温まるんだってさ。」 「面白いなぁ。いい話を聞かせてくれてありがとう。しかしお前、よっぽど興味が沸いたんだなあ。」 「うん、だってね、それまで知らない人同士だったのに、テーブルに集まって一緒におんなじ“なぞ”について一生懸命考えてるの、とても楽しそうだったんだもん。」 「そうか。そういう場でお友達ができるのは、とても素敵なことだね。今度そんなイベントがあったら、行ってみるか。ママも誘って。」 (阿部美香) |